【iPadを越えた!?】使い勝手が秀逸「Sony Tablet S」の実力
Sonyのタブレット端末が打倒iPadに燃えていたのでその機能と特徴を調べてみました。
今年4月に発表され、話題を集めたソニーのAndroidタブレット「Sony Tablet」がいよいよ発売になる。9.4型液晶搭載のスレート型「Sシリーズ」と、5.5型液晶を2枚搭載したコンパクトな折り畳み型「Pシリーズ」の2モデルだ。どちらもソニーらしい秀逸なデザイン、快適なレスポンス、独自のネットワークサービス、テレビなど様々なAV機器との連携機能が特徴だ。
■軽くて持ちやすい「偏重心デザイン」
Sシリーズは、内蔵ストレージの容量が16GBの「SGPT111JP/S」、32GBの「SGPT112JP/S」のWi-Fiモデル、3Gモデルの「SGPT113JP/S」(内蔵ストレージは16GB)の3機種をラインアップする。
多くのタブレット端末は、厚みがほぼ一定のフラットな形状のものが多いが持ちやすい
加速度センサーを備え、どの向きでも使える
重心も偏っていて、形状と重量配分のおかげで手に持ったときの安定感が高い
裏側には細かい突起がついていて、滑りにくくなっている
■各メーカータブレット端末との比較
■高画質なIPS液晶を搭載
液晶ディスプレイは前述の通り9.4型。解像度は1280×800ドットのIPS液晶だ。明るく、コントラストや発色も良い。IPS液晶なので視野角が広い。机の上にSシリーズを置いて数人で見ても見やすいだろう。タッチパネルの感度も良好に感じた。
■タブレットとしては高音質なステレオスピーカー
両側面にはスピーカーの開口部があり、ステレオスピーカーを内蔵している。音質はAndroidタブレットとしてはなかなか良好だ。開口部は斜め下を向いているので、固い机の上に置いて机表面に音を反射させて聴くとさらに良い音で楽しめる。AV機器メーカーであるソニーらしいこだわりを感じる。
■Androidタブレットにリモコンを集約
■完成度が高い独自開発のソフトウエアキーボード
■Tegra 2搭載だが独自の工夫で操作感を向上
処理能力を左右するプロセッサーには、NVIDIAのTegra 2(1.0GHz)を搭載している。
通信機能は、Bluetooth、無線LANのほか、3G対応モデルは3G回線に対応する。3GモデルはNTTドコモを通じて販売される。OSは9月17日に発売するWi-FiモデルがAndroid 3.1、それ以外はAndroid 3.2になる。Wi-Fiモデルも発売後に3.2にアップデートされる予定だ。
ストレージは内蔵メモリーとSDメモリーカード(32GBまで)が利用できる。SDカードの中身はアプリから直接利用することはできず、ファイル転送アプリを使って内蔵メモリーにコピーして利用することになる。いちいちコピーしなければならないのでわずらわしい。これはAndroidの制限によるものなので仕方のないところだ。
■拡張性は控えめ
拡張端子は、フルサイズのSDカードスロット、microUSB、ヘッドホン出力を備える。microUSBはUSBホスト機能を備え、デジタルカメラやUSBメモリーなどを接続して、データの読み込みができる。ちなみにPシリーズにはUSBホスト機能はない。
右側面には電源ボタン、音量ボタンがある。そのほか、このサイズのAndroidタブレットとしては珍しくストラップ穴もある。
■軽くて携帯性は高いが、バッテリーは交換できず
バッテリー駆動時間はカタログ値で、音楽再生時が約31時間、ビデオ再生時が約6時間、無線LAN接続のWeb閲覧時が約6.2時間、スタンバイ時が約430時間。比較は難しいが、ICONIA TAB A500がビデオ再生時で約8時間、スタンバイ時で約400時間となっているので、ほぼ同じ程度と予想できる。ちなみに、iPad 2は無線LAN接続のWeb閲覧時で最長10時間となっている。
前述のように、Wi-Fiモデルで598gと軽いため、持ち運びに向いているのはSシリーズと言えそうだ。残念なのは、Pシリーズはバッテリーを交換できるが、Sシリーズは交換できないこと。毎日持ち歩きたい人にとっては、交換できた方がバッテリー切れの心配をしないで済む。
■オプションのケースやキーボードで様々な使い方に対応
■使い勝手は秀逸、コンテンツやサービスの使い勝手が鍵
シリーズは、10.1型クラスのAndroidタブレットよりも100g前後軽くて携帯性に優れるのが特徴だ。持ちやすく、画面に集中しやすいデザインも魅力と言える。軽くて使いやすいAndroidタブレットが欲しい人にはぴったりの1台だ。
Pシリーズとどちらを選ぶかも悩ましいところだが、携帯性を重視するなら、小型軽量でバッテリーの交換ができるPシリーズの方が向いている。Sシリーズはサイズから考えて、家の中で使うのがメーンで、時々外に持ち出すといった用途に向いている。
独自の音楽再生アプリやAV機器との連携機能も競合他社のAndroidタブレットにはない魅力だ。サービス開始前でテストできなかったが、映画、ゲーム、電子書籍など様々なWebサービスにも対応している。ハードウエアの出来は悪くない。予想実売価格は、内蔵メモリーが16GBのWi-Fiモデルが4万5000円前後。価格も競合他社製品に十分対抗できる。選択の分かれ目は、グループ内のコンテンツやサービスが使いやすいかどうかにかかってきそうだ。決済システムの統合など、シームレスな使い勝手の実現を期待したい。
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