自分で選択しているハズなのに導かれる「マジシャンズセレクト」

一見選択肢が有るように見えて、 実際は条件に該当する選択肢はひとつだけで、 出題者の誘導を感じさせずに選択させる手法。これをやられると、自分で選んだつもりの物が当てられてしまうという心理トリックのようなもので、広告手法として用いられることもある。そんなマジシャンズセレクトを集めてみました。

突然ですが、次の八単語の中から、ひとつを自由に選んでみて下さい。

消費税、収穫、葬式、アルミ、筆、お箸、数珠、半紙

では今度は、その単語と関係あると思うものを、次の八単語から選んで下さい。

体育館、一円玉、グラタン、米、牛乳パック、墨汁、砂漠、喪服

そのものの特徴を、次の八つの中から選んで下さい。

赤い、長い、小さい、明るい、広い、黒い、鋭い、速い

それでは最後に、その特徴に当てはまるものを次の八つの中から選んで下さい。

シマウマ、錦鯉、ヒマワリ、アリ、イルカ、柴犬、モミの木、カマキリ

あなたが選んだものはアリですね?

これは予言のマジックです。

ここに100円玉、50円玉、10円玉の3枚のコインがあります。
この3枚のコインの中から、あなたの選ぶコインを当てましょう。

この時点でマジシャンが隠し持っているのは100円玉

コインを2枚と1枚に分けて下さい。

1枚のほうに100円玉がある場合は①へ
2枚の方に100円玉がある場合は②へ

①「あなたがそのコインを選ぶ事は分かっていました」と言って手に握っている100円玉を見せる

②次に、2枚のコインの中から1枚を選んで手に握って下さい。

握ったコインが100円玉の場合は①へ
残ったコインが100円玉の場合は③へ

③「あなたがこのテーブルに残されたコインを選ぶことは分かっていました」と言って手に握っている100円玉を見せる

次の9つの単語の中から、1つを自由に選んでみて下さい。

スキー、鼻水、コップ、温泉、ゴミ箱、コーヒー、冬、お土産、おっぱい

選びましたか?
では今度は、その単語と関係あると思うものを、次の8つの単語から選んで下さい。

電卓、雪、針、ティッシュ、米、まんじゅう、牛乳、電話

はい、ありがとうございます。選んだらそんなの忘れて、次に進みましょう。
そのものの特徴を、次の8つの中から選んで下さい。

大きい、遅い、白い、鋭い、暗い、甘い、赤い、狭い

それでは最後に、その特徴に当てはまるものを次の8つの中から選んで下さい。

ナイフ、ピラミッド、砂糖、亀、犬小屋、宇宙、血、深海

選びましたか?
では、あなたが最初に何を選んだかズバリ当てて見せましょう。

あなたが選んだものは、おっぱいですね?

マジシャンズセレクトを自作してみよう!

まず最終的に選ばれることとなる単語を決めましょう。

一般的な言葉で、具体的な特徴が2つ以上あることが望ましいです。(多すぎない方がいいかもしれません)
実践の例としてここでは「ワサビ」にしましょう。

次に先程決めた単語の特徴を2つ挙げてください。

「ワサビ」の場合、「辛い」「緑」あたりが妥当でしょう。
この「辛い」「緑」は第三階層に属することになります。

続けて今度は「辛い」と「緑」に関係する言葉を2つずつ挙げましょう。

「辛い」・・・「カレー」「海水」
「緑」・・・「自然」「エメラルド」
これら4つの単語は第二階層に属します。
ここで注意したほうがいいことは「できるだけ性質の離れた言葉を挙げること」です。
「辛い」・・・「カレー」「スパイス」
「緑」・・・「自然」「森林」
のようにしてもいいのですが、できるだけ似通った言葉を使わないほうがスマートです。

先程挙げた2つずつの言葉からさらに2つずつの関連語を挙げましょう。

辞書を使って関連語などを見ると楽になるかもしれません。
「カレー」・・・「インド」「レトルト」
「海水」・・・「ビーチ」「塩」
「自然」・・・「田舎」「風景画」
「エメラルド」・・・「鉱物」「指輪」
これでひとまずの筋道ができました。これら8つの単語が最初に選んでもらうことになる言葉です。

整理すると
第一階層:「インド」「レトルト」「ビーチ」「塩」「田舎」「風景画」「鉱物」「指輪」
第二階層:「カレー」「海水」「自然」「エメラルド」
第三階層:「辛い」「緑」
最終階層:「ワサビ」

ダミーとなる言葉を作っていく作業に入ります。

すべての階層に8つずつの単語があるようにします。よって第一階層はすでに8つあるのでOK。

第二階層のダミーを作ります。すでに4つ出ているので残り4つ。
ポイントは「第二階層の言葉と並んでも不自然ではなく」なおかつ「第一階層の言葉のいずれとも無関係」の単語を選ぶことです。それさえ守れば好きな単語を選んで構いません。
例えば「タバコ」「パトカー」「革命」「リモコン」
ひとつひとつ第一階層の単語と見比べて、関連性がないことを確認するのを忘れずに。

第三階層のダミーを作ります。2つ出ているので残り6つ。

ここでは単語の性質を揃えるとより効果的です。
「辛い」と「緑」が出ているので半分は形容詞、半分は色の名前にしてみましょう。出来ればすべての性質を揃えるのが理想的ですが、その場合最初の段階で「ワサビ」の特徴のところから考えなおさなければなりません。
また、ダミーの役割としてトリックにより説得力を持たせるために第二階層のダミーからつながる言葉を入れていくのがベターです。もちろん、第二階層に選んだ「カレー」「海水」「自然」「エメラルド」からは連想できない言葉でなくてはなりません。
例えば「難しい」「速い」「けむい」「黒」「白」「赤」
少々大変ですがここまで来たらあと一歩です。

最終回層のダミーを作ります。残り7つです。

先程と同様のことに気をつけましょう。「辛い」「緑」から連想される言葉を入れてはいけません。
例えば「哲学」「ジェット機」「工場」「夜空」「大福」「血液」「シャア」

これで単語は揃いました。

整理すると
第一階層:「インド」「レトルト」「ビーチ」「塩」「田舎」「風景画」「鉱物」「指輪」
第二階層:「カレー」「海水」「自然」「エメラルド」「タバコ」「パトカー」「革命」「リモコン」
第三階層:「辛い」「緑」「難しい」「速い」「けむい」「黒」「白」「赤」
最終階層:「ワサビ」「哲学」「ジェット機」「工場」「夜空」「大福」「血液」「シャア」

あとは語順を適当にシャッフルすれば完了です。
では実際にマジシャンズセレクトを体験してみましょう。